チタン、ジルコニウムの欠点

金属アレルギーだしいわゆる指輪は着けないという方から、チタンなら着けてもいいなと思ったというお声が寄せられることがあります。

チタンの利点、美点は枚挙にいとまがありませんが。

1.加工上の制約という欠点があります。

チタンジュエリーの欠点は貴金属のジュエリー素材のような粘りが少ないことが挙げられます。プラチナ箔や金箔に出来るほど、柔らかく自在にぐにゃっとならない、思い通りに伸ばせない、曲げられないという加工上の制約があります。いつの間にか曲がってしまうプラチナとは真逆の性質を持ちます。プラチナは指に沿って指の形に歪む物ですが、チタンは正円を保ち続けますので、着けているうち回転しています。

それは金銀より固く丈夫というチタンのメリットとも言えます。加工上の制約は、工具を工夫することで克服可能になります。日々進歩していますので、ネット上には古いデーターも溢れていますが、今日では熟練のチタン職人も出ていますので、貴金属並みの豊富なデザインの指輪も制作可能となっています。複雑で、繊細なチタンの指輪も作られています。

職人というものは、常に一定レベルで商品を作るプロという認識が一般的かもしれませんが、実のところは日々進歩しています。去年よりも今年の方が経験を積んでいますし、昨日より今日の方がさらに腕はスキルアップしています。常に新しく挑戦を繰り返すのですから、1個めの斬新なデザインの次に作るものはさらに冒険と実績を重ねられ、斬新かつ成熟しているのです。

数年前まではデメリットだったチタンのサイズ直しも問題は克服されてきていて、痩せた時の詰めは出来ずともサイズアップも直しも可能になっているので太ったとしても直せます。
サイズ直しできる幅が限られる→サイズを拡げたい場合にはどんなに大きくしても問題ありません。大幅なサイズアップも将来的に心配要りません。正確には小さくする場合はできる範囲が限られ、カットして詰めることにはハードルが上がります。(結婚指輪は切って繋げてしまうと離婚指輪になってしまうことから繋がっている輪である意味があります)
若干の微調整であれば着け心地をきつめに改良する(サイズを小さいと感じられるように)ことは可能でも、
厳密に言えば輪をカットして不要な部分を捨ててつなぎ合わせるという作業についてです。

2. チタンは歴史がない

長い歴史を持つゴールド、シルバーと違ってチタン、ジルコニウムは歴史がありません。新しく発見された金属ですので大英博物館には金、銀の埋蔵品がたくさん収蔵されていますし、正倉院にも純金や銀製の宝物があります。

チタン製の埋蔵品が出土したということがない、古代から延々と受け継がれた伝統というものはありません。チタンはやっと人つされる途上にあるメタルであり、実は体内に埋没させても安全な金属だということもみんなが知らない、これも欠点の一つかも知れません。

それでもチタンが選ばれる理由