チタンアレルギーのチタンと塩化チタン

チタンアレルギーのチタンと塩化チタン
by 黒のコーティング on 2017年10月28日
チタンアレルギーと塩化チタンアレルギーの勘違い
チタンには二酸化チタン、と純チタン、塩化チタンという違うチタンがあります。厳密に言うと、純チタンという、いわゆるピアスの材料を肉眼で見るとき、表面は2酸化チタンですので、私たちはチタンと呼ばれる2酸化チタンを目にしていることになります。

皮膚科のパッチテストは塩化チタンだからかぶれて当たり前
チタンは固体で、皮膚に浸みこまない物体です。したがって汗に溶けないかぎり化学反応は起こらないのですが、ここには空気が存在しています。私の周りにもあなたのまわりにもです。必ず人のいるところに酸素があり、体内にも溶存酸素があり生きていられます。このような環境下ではチタンは常に二酸化チタンに覆われています。それは酸素分子とチタン金属分子の化学吸着が起こっているからです。その化学吸着を不動態と言いますが、その不動態があるかぎり溶けて皮膚に化学反応を起こせません。従いまして固体のままでは反応させられないのがチタンの性質です。
酸素があるのが条件ですので、酸素のない宇宙空間、深海数千メートルはアレルギーが起こりえますが、そうした環境でチタンの結婚指輪を装着することは想定できないことはおわかりでしょう。
チタンアレルギーになることがあるという説は、否定されてしかるべきです。

皮膚科のチタンは指輪のチタンと違うからかぶれる
人の皮膚に化学反応を起させるかどうか調べたいと皮膚科はチタンを液体に溶かし、皮膚に侵入を試みる、これが皮膚科のパッチテストです。
この時点で大きく間違っているのは、絶対に固体の指輪からチタンは自発的には液体になれないのに、皮膚科では塩化チタンという液体を使ってテストを行っている皮膚科が存在している点です。
これをよしとせず、固体を粉末にしてワセリンにまぜて皮膚のパッチテストを行っている皮膚科は極めて良心的です、しかしながらあえて塩酸という皮膚が溶けてしまうほどの劇薬にチタンを溶かし濃度を1%に薄めた塩化チタンを皮膚に塗布する皮膚科も混在しているのです。人間の皮膚は塩酸には耐えられないということはどなたにも周知の事実です。1%で反応が薄い、検査データにならないということで2倍の濃度でデータを取っている大学病院の論文もあるくらいで、皮膚科に統一されていないのが現状であり、最も有効な手段というのが示されていないのが実状です。
チタンアレルギーテストがいったいだれのためのテストなのか考えてみます。
チタンが液体になって体内に入ってどうなるかをテストしてみたい病院というのは、例えばインプラント、チタンの人工関節置換術など、将来に渡って生涯チタンを埋め込もうとする場合だと思います。指輪の用途を考えられていない、最初からチタンのジュエリーは除外されているということです。
チタン製の結婚指輪の場合、体内の液体に浸り続けることがない、液体チタンを検査する必要はないですね。
チタンアレルギーになるかならないかを考える時、指輪にチタンアレルギーリスクは無いことは明らかですが、ピアスの穴をあけた傷についてはリスクがあります。

傷と感染リスクについて
どんな金属であれ、手術と微生物の感染には気を配っていますが、そこに細菌が入り込み、体液のたんぱく質が細菌を抗原として攻撃するという生体ならではの現象が起きています。チタンに起因するのではなく、そこに感染が起きることに起因しているのです。